短編小説は文章量が少ないので、「簡単に誰でも書ける」と安易に想像してしまいがちです。
しかし、小説に限らず文章というものは短ければ短い程難しいものです。
「書きたいこと」を削ぎ落として意味の通る文章にすることは、最も「文才」を要求される部分かもしれません。
言い換えれば「短編小説を書ける人は長編小説も書ける」と言っていいと思います。
短編小説を書くのは長編小説を書くよりも大変なことなのです。
それでもなお「短編小説」にこだわる作家は数多く存在します。
短い文章の中に起伏に富んだ物語を詰め込むセンスと技術は、もはや職人芸です。
満足のいく短編小説は一朝一夕にはできませんが、習作を重ねれば必ず書けるようになります。小
説の醍醐味の詰まった短編小説は、読むにも書くにも魅力的です。
また、短編小説はその起源を『千夜一夜物語』や『グリム童話』、『今昔物語集』などの説話的な物語に求めることもできます。
このような昔からの「お話」の妙味も短編小説は色濃く残しています。
短編小説に根強いファンが多い理由もこのあたりにあるのかものしれません。
・バートン版『千夜一夜物語』
中世イスラムのアラビア語で書かれた説話集です。
・グリム兄弟『グリム童話』
ドイツの民謡や童話を集めたものです。
・『今昔物語集』
平安時代末期に編纂された日本の説話集です。インド・中国の説話も収録されています。